INTERVIEW

修了生インタビュー 加藤法弘氏

地域を愛し、地域に貢献しようとする実践者にとっての“知の拠点”へ

――大学院のどの研究室に入られましたか。

福嶋壽先生の研究室です。先生のご専門は会計監査論でした。

――大学院に来られた理由は?

社会に出てから自分なりの問題意識を持つにつれ、もう一度学び直したいという意欲が高まっていました。そんな折、幸運にも山形県からの派遣職員として大学院で学ぶ機会を得ることができ、とても貴重な経験となりました。

――大学卒業後、何年後に大学院へ入学されたことになりますか。

大学を出て4年間社会人として働いた後、大学院に入学したことになります。

――大学と大学院で学ばれた分野は同じでしたか。

学生時代の専攻とは異なる分野を研究することになったため、大学院では正直ゼロに近い状態から始めることになり、苦労した面もあります。一方で、社会人生活を経て、自分なりの問題意識を持って入学することができたため、学生時代と比較しても、より強い意欲と明確な目的をもって研究を行うことができたと感じています。

――大学院での研究テーマは?

国や地方自治体で使っている公会計という会計制度についてです。修士論文では山形県の公会計改革を研究しました。

――修士論文で書かれた内容のポイントを教えてください。

現在、公会計の分野に民間企業等で使われている企業会計の考え方を取り入れようという取り組みが進められており、山形県でも同様の取り組みが進められております。その意図としては、公会計の考え方で不足している部分を企業会計の考え方を使って補完していこうという取り組みなのですが、自分も山形県職員であることもあり、大学院では、県で進められている取り組みを事例として、その特徴や課題について考察しました。

――大学院を修了して職場に戻ってみて、何か変わったことはありますか。

県に戻り、現在は市町村課で勤務をしているのですが、大学院で得た知識や経験は実際の仕事にも非常に役立っています。また、修士論文を作成する際に必要な方法、例えば、資料の収集方法であったり、集めた資料を素材にして論理的に組み立てていくといった手法は、仕事に戻ってからも、様々な場面で役立っていると感じています。

――大学院時代の印象深い思い出をひとつ紹介してください。

最も印象深いのは“民際café(みんさいカフェ)”というイベントを開催できたことですね。このカフェは大学や大学院の活動を地域の皆様にも広く知っていただくために、お茶を飲みながら様々なテーマについて話し合うという取り組みを行いました。開催にあたっては、宮本忠教授をはじめとして多くの先生方からもご協力をいただきながら、月1回のペースで計15回開催しました。

この“民際café”は現在休止中となっておりますが、現在東北公益文科大学大学院連絡会が中心となって開催している“こうえきcafé”は、この“民際café”と同じコンセプトで開催されており、形をかえながらも現在まで続いております。

――東北公益文科大学大学院の特色とはどのようなものだと思いますか。

一番の特徴は、学生と先生の距離が近いということだと思います。“民際café”を通して、大学院の友人をはじめとして、地域内外の方ともお会いすることができ、現在でも交流が続いています。こうしたイベントも、大学の先生方の協力を得られなければ開催することができなかったと思います。研究はもちろんですが、研究外の活動に至るまで、大学の先生方に密接に関わっていただけることは、この大学の一番の魅力であると思います。

――最後に大学院にメッセージなどありましたらお願いします。

これからも東北公益文科大学大学院が、地域を愛し、地域に貢献しようとする実践者にとっての“知の拠点”であり続けることを期待しております。

(H23.8)

ページの一番上へ