INTERVIEW

修了生インタビュー 五十嵐智春氏

院生という同じ立場で仲間と交流を、学生という特権的な立場で研究活動を。

――大学院で指導を受けた先生は?

公民連携、公共政策、地方財政、第3セクターなどについて研究されている出井信夫先生です。

――大学院に入学したきっかけはどのようなものでしたか?

そもそものきっかけとしては職場の研修制度を利用したことですが、普段の仕事の中で住民の方との関わりから出てきたものを、行政運営にもっと取り入れていくにはどのような手法があるのか、深く掘り下げてみたいと思っていました。

――修士論文では何を研究されましたか?

自治体の予算編成に関する取り組みについて論文を書きました。計画(plan)、実行(do)、評価(check)、改善(act)というPDCAサイクルに基づいているか、また、課題をフィードバックする手法が行政運営に取り入れられているかといったことを中心に、全国の自治体の実態調査を行いました。そして、予算編成における住民参加の取り組み方について研究をまとめました。

――大学院での研究を現在の仕事にどのように活かされていますか。

修了後には2年ほど財政課に所属し、大学院で研究してきたことを念頭に置いて、実際の予算編成に携わりながら酒田市の取り組みについて現場を見ましたが、やはり“理想”と“現実”というものを感じました。しかし、その中で新たな自治体の課題についても見えてきました。

――新たな課題としてどのようなことをお感じになられましたか。

先ほど申し上げたPDCAサイクルの中の改善の部分ですね。例えば、この1年間の行政の取り組みを来年度の運営に迅速にフィードバックすることがまだまだ不十分であるように思います。

――それについてどのようにしていけばいいと思いますか。

今年度の課題をきちんと捉えて来年度の予算編成につなげていくという意識を、市役所のそれぞれのセクションの中で各人がきちんともつということがまず大切なのではないかと考えています。

――大学院時代の印象深いエピソードがありましたらお聞かせください。

出井先生と当時公益大大学院で教鞭をとられていた藤田先生と一緒に、鶴岡の夜のフィールドワークを行い、交流を密に深められたことですね。

――これから大学院で学ばれる方に向けてアドバイスなどがありましたらお願いします。

大学院には様々なところから社会人の方が勉強に来られていますが、そうした方々と同じ院生という立場で交流を深めてはいかがでしょうか。他では決して得られないような人脈がつくれると思います。また、学生という立場を生かして調査等で全国の現場を視察したりすると良いのではないかと思います。社会人の肩書きではなく、大学院生としての肩書きで活動できることはいろいろな面で利点があると思います。

(H23.8)

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