INTERVIEW

教員インタビュー 伊藤眞知子教授

――チェリア塾とはどのような取り組みですか。

チェリア塾は山形県の男女共同参画センター「チェリア」が女性リーダーの育成を目的に2004年から開催しているもので、参加者として30~40代の女性が中心になっています。これまでは山形市の遊学館内の「チェリア」で行っており、県内の内陸地域の受講生が中心でしたが、庄内地域で行いたいという声があり、2010年の4期目になって初めて庄内で開催することになりました。今回は公益大がチェリア塾の拠点になっています。

内容としては2年間がワンクールで、1年目は様々なテーマについてオムニバス形式の講座を行い、宿泊研修も実施し、2年目はフォローアップとして、参加者が企画者になり、一般の方にも知って欲しいことについて専門家を招いて自主講座を開催します。2年目はグループに分かれて作業に取り組み、仲間づくりを行って協力していくことにも重点を置いています。6月に講座の企画について手法や考え方を学ぶことからスタートして、9月に講座を開催し、その振り返りをまとめるという実践的な内容です。企画の立て方、予算取り、準備など講座の開催に必要な作業をすべて体験することで、参加者が自分の地域に戻ったときに講座を開催できるようになり、リーダーとなることを狙いとしています。このチェリア塾の中からは、町議会議員(2名)や県の審議会の委員になったり、起業される方も出てきたりしています。

――先生は山形県男女共同参画審議会の委員をなさっていますね。

これまで審議会のメンバーとして、男女共同参画計画の策定に関わり、民間の立場から意見を出し、また、その進み具合についてチェックしてきました。いま政策・方針決定過程への女性参加の割合を3割にするという国の数値目標があり、山形県では様々な審議会への女性参加の割合について数値目標を達成しています。しかし、県庁の政策・方針決定過程に関わる管理職の女性割合について、数%という現状からもっと割合を増やしていくため、数値目標を出すように県に要望しましたが、いまのところまだ数値目標は上がってきていません。そのようなところでもプッシュして現実を変える努力を行いながら、民間の立場から政策に関わっています。

海外に目を転じると、例えば、ノルウェーではクォータ制を採用して一定の枠をつくって、政党が議員の候補者出すときに一方の性が4割を下回らないようにしています。日本では国の制度としてないとしても、本来は自治体などでそのようなことができるはずです。実際の仕事の場面において女性の採用を妨げる要因となっているのは何か、力が発揮できない仕組みなのか、評価の仕方なのか、あるいは、求められている力がどうなのかなど、いろいろと議論がありますが、男性中心の仕組みをまだまだ変えていかなければならないと感じています。

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