- 髙谷時彦 教授「各自が活動するための1つの“テーブル”が用意され、様々な側面からまちづくりにアプローチできる」
- 伊藤眞知子 教授「みんながケアをする側にもまわる社会、そのシステムをいかにして構築するか」
- 澤邉みさ子 教授「網を広く張って精査する、私の研究の枠を超えていって欲しい」
- 武田真理子教授「“人”が重要なカギを握る、官民協働のあり方を探る」
- 温井亨 教授「人が暮らす中でできた風景をいかにして保存、再生するか」
――先生の研究室では、院生の皆さんはどのような感じで日々研究に取り組まれているのでしょうか。
院生の皆さんの研究は広い意味のまちづくりを対象としています。例えば、これからのまちづくりの新しい担い手として期待されるまちづくり会社をどのように行政が支援、協働したらいいか、あるいは、文化的景観の認定をいま全国で行っている中で、景観まちづくりの1つの方策としてどう進めていくかということなどを研究しています。これまでの院生の方も、住宅地景観やまち並みを扱ったり、これからの地域自治組織としての公民館のあり方を探ったりということで様々な分野からまちづくりにアプローチしてきました。
私としては、この研究室をベースにして、各自が関心のあることを見つけて、追求していってもらえばと思っています。また私たちの研究室の卒業生でもあり、この研究室の取り組みを一貫して担ってきた研究員の方もいるので、いままでの蓄積が伝わる仕組みができています。
各自の研究領域は異なるかもしれませんが、みんなで一緒になって取り組むということもありました。例えば、大きなイベントとして、大学院のある鶴岡市内を流れる内川で社会実験を行いました。これは全員で参加して、しかも、そのときは同じく鶴岡にある慶應大学とも共同で取り組みました。いろいろな意味で社会に開いた研究室ということを常に意図していきたいですね。また、開くことによって私たちがやっていることをきちんと社会に見えるようにすれば一緒にやろうという話も来ると思っています。いまいくつか市からの委託を受けたり、市と一緒になって進めたりしている事業がありますが、そういうことでやっているわけです。
基本的には、研究室の皆さんが活動をやっていく、各自が活動するための1つの“テーブル”が用意されているという形だと思います。私自身は建築や都市デザインを専門にしていますが、研究室としては広くまちづくりを扱っており、様々な側面からまちづくりの方法やあり方にアプローチすることができます。全員が完全に1つの方向を向くことはありえないわけで、幅があることは当然のことだと考えています。その中で、それぞれが関心をもって社会とつながっていってもらえればいいと思っています。